【考察】音楽教室の真の目的は「楽器販売」である 〜JASRACが音楽教室からもお金取るってよ〜

最近JASRACが音楽教室側からも使用料を取るということで問題になっている。

そしてヤマハ、河合を筆頭にして団体も出来上がった。

 

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音楽教室の目的が「音楽教育を通じた文化の向上」というのは容易いが、実情はどうだろうか。

元音楽教室スタッフの目線から考察していこうと思う。

 

例えばピアノのレッスン、週1回30分と仮定して、5000円〜7000円程度だろうか。

これは音楽教室ごとにシステムが変わってくるのでばらつきはあるにしてもこのくらいが相場として考える。

しかし、この月謝のみで音楽教室が運営できるはずがない。

あくまでもビジネス、そこで終わるわけがない。

 

レッスンが始まって落ち着いたところで一気に営業攻勢に入る。

「もうそろそろご自宅にピアノはどうですか?」と講師も含め営業に入ってくる。

月1回程度渡されるであろう生徒向け冊子には毎回楽器のチラシも織り込まれる。

DMでも楽器購入の提案をするところもあると思われる。

講師はもちろん、運営スタッフの頑張りどころが「楽器販売」である。

もちろん、講師の質を上げなければ定着率は落ちるのでそこも重要視するが、それと同じぐらいに重要なのがそれである。

 

アップライトピアノで数十万、デジタルピアノも低くて十数万円程度である。

KORGなどが10万以下のラインナップを出しているが、やはり自前のメーカーのものを売りたいというのが本音であるのでそこをゴリ押ししていくことになる。

一度買ってくれて長くレッスンを受け続けてもらえたらこっちのもの。

デジタルピアノだと10年程度でガタがくることもあるので買い替えの提案、生ピアノであれば調律等で利益をとることができる。

つまりは「楽器を買ってくれないと音楽教室は成り立たない」のである。

 

そこに今回ふっと湧いて出た「音楽教室からも徴収しまーす」だから大変。

ただでさえ少子化でジリ貧の音楽教室。

いくらシニア層を取り込もうといっても一番の稼ぎ頭は「幼児〜小学校低学年」である。

音楽教室は長期スパンで考え、早い時期から囲い込みをしたい。

レッスン料に上乗せとなると足が遠のく可能性も否定できないので反対するのは当然のことである。

 

ただ、JASRAC側からすると「あんたらうちの管理してる曲を楽器販売の道具にしてるようなもんだから金とってもいいよなぁ?!」という主張はあながち間違ってはないと思う。

というか、JASRACも何で今さらこんなことを言い出したのか。

もっと早期にここに着手していればここまで問題にならなかったのではないか。

ここにJASRACの怠慢さがみえてならない。

 

音楽教室を「音楽の裾野を広げる重要な場所」と考えるのは結構だが、それはあくまでも「理想」であり、現実は「商売」である。

楽器が売れなければ音楽教室は成り立たない。

 

本音は「音楽教室の最終目的は「楽器販売」だ」ということである。

 

果たして今後、これがどうなるのだろうか。

 

【追記】

大手の音楽教室は独自にテキストを作っていて、それには著作権切れをしているクラシック曲のアレンジ版やオリジナル曲を使っている。

ただ、生徒が自分で譜面を持ってきて「これを弾きたい」となった場合、大体が黙認していたというところ大きな問題がある。

これは音楽教室側の怠慢である。

そしてそこを今まで指摘してこなかったJASRACも対応が早かったとはいえない。

 

ではどうするべきか。

一番簡単なのは

「自社制作のテキストのみしかレッスンできない」ものと

JASRAC管理曲も組み込めるレッスン」で区分分けをしてレッスン料を改定するというものである。

今まではレッスンカリキュラムの関係上、嫌でも自社テキストを並行してやらざるを得なかった生徒にとっては「好きな曲でレッスンが受けられる!」というのは大きいし、選択肢の幅も広がると考えている。

 

追記に際し、ご助言いただいた「会社員」氏に厚く御礼申し上げたい。